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蔵歯会の活動



[2007/09/09] 平成18年度徳島大学歯学部同窓会香川県支部学術講演会 2期生 永峰伸一
平成18年11月18日18時半より高松市のホテルニュ-フロンティアにて学術講演会を行いました。今年は徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部顎口腔病態制御学講座(旧歯科麻酔学講座)の富岡重正助教授に「歯科医療事故を防ぐために」の演題でご講演して頂きました。
 少し講演内容について書きます。医事紛争は1年に歯科医100人に約1件の割合で起こっており、推計では香川県でも年3件くらいでは起こっているのではないか、歯科医が増えても齲歯は増えないが、今後、弁護士が増えれば必ず医事紛争が増えるとのことでした。埼玉県の小児の局所麻酔後の死亡事故は局所麻酔薬のアナフイラキシーショックが原因との鑑定結果が出たようですが、局所麻酔のアレルギーは極めてまれであり、メチルパラベンのアレルギーも考えられなくもないが鑑定結果には疑問を抱くとの私見を話されました。小児に初めて局所麻酔を実施する時にアレルギーに危惧して実施する時がありますが、「チャレンジテスト」という検査の方法があり、局所麻酔を希釈して患者の舌下に1滴落として反応を見るテストで開業医でも簡単に実施できそうです。しかし、万が一アレルギー症状が出た時に対応ができないといけないでしょうが。
 アスピリン喘息の患者にロキソニンを投与してはいけません。裁判で歯科医が負け判例となっており、喘息を誘発し医事紛争になると絶対に負けます。アスピリン喘息の患者には医薬品名塩酸ペンタゾシン(製品名ソセゴン錠)が有用であるとのことでした。他に歯科でアレルギーとして注意が必要なのは、ヒビテン、ラテックス、ホルムアルデヒドがあり、ホルムアルデヒドはナイロン糸の処理に使っていることがあり、縫合の後にアレルギー症状が出て原因に気がつかないことがあるとのことでした。他には症例を提示しての救急処置では、神経性ショックで心停止した症例はびっくりしました。AEDの使用方法、モニタリングの話もあり歯科麻酔のあらゆる話を密に話して頂き2時間の講演が短く感じました。 
 講演後には、新しく入会された中久加菜先生、三池広治郎先生、江本恵子先生(旧姓澁谷先生)、寶田奈美先生、下村隼人先生、合田大輔先生に自己紹介をして頂きました。
 講演会の後は、富岡助教授を囲んでの懇親会を開きました。和気あいあいと宴を遅くまで開くことができました。

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